ちなみに「可愛い」とは、きれいな自立できない弱者を受容する言葉である。少女たちが好感を抱く対象をやたらとこの言葉で形容するようになったのはここ数年だが、彼女たちは、この言葉をいわば呪文のように唱えることで、「可愛い」ものにはすべて同じ顔をもたせ、自分たちの幻想の共同世界の側にとり込みながら、「可愛くない」ものは「関係ないから」と、視界の外に排除していく。 吉見俊哉『都市のドラマトゥルギー』(河出書房新社、2008年)可愛い疎外/排除知覚